中国餃子考


西安の名物料理といえば「餃子宴」である。
これは宮廷料理の流れを汲む、味も形も材料も異なる餃子のフルコースのことをいう。中華の料理メニューは数多いが、中でも餃子は中国人にとって特別な意味を持つ。

形も色もとりどりだが、餡(中味)を表わしていることが多い。
発祥地に関しては諸説あるが、新彊ウイグル自治区で中国最古の餃子の化石が発見されていることから、中国北方説が有力だ。時代も定かでないが、かなり古くから食されてきたと言われ、先ずは「水餃子」が、次ぎに「蒸し餃子」が登場する。

餃子は当初、宮廷内で、秦始皇帝など選ばれた者しか口にすることの出来ない高級メニューであった。因みに楊貴妃は鶏肉が好物だったことから、鶏を使った蒸し餃子を好んで食べたと伝わっている。その後、官廷勤めの家臣が皇帝達の食べ残しを持ち帰り、焼いて温め直して食べたことから、徐々に庶民にも広まって行く。これが「焼き餃子」。



やがて、餃子は中国全土に広まり、年越しや春節(旧正月)に欠くことの出来ない料理となる。中国の古銭の形を真似て餃子の形が考案されたことから「財をなす」と言う意味を持つとも、
「子供に恵まれる」と云う意味を持つとも言われ、縁起の良い食べ物と見なされている。またそのような宴席では決まって「水餃子」が振舞われる。

水餃子のタレも中味によって替えられている。

現在,中国では餃子と言えば、北方では「水餃子」を、南の方では「焼き餃子」、中間に位置する西安では、その両方を堪能出きる。又、西安の餃子の餡(中味)は実に千差万別である。例えば「タツノオトシゴ」や海鼠(なまこ)を乾燥させたもの、駱駝の蹄や鹿の角など、さすがは中国と唸ってしまうものまである。

その上、中味によって外皮の色や形が異なっている点も日本の餃子と大きな違いである。
本当によくぞ、ここまで作るものかと感心してしまうほど、もう芸術作品である。それが、次々に出されてくると、正に「餃子の饗宴」と云うのも頷ける。
勿論、それぞれこれが餃子なのかとその美味には驚嘆する。

以上です。今日は女房に餃子を作らせます。



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